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Day.13-2002.07.26 Day.12 へもどる
 朝チェックアウト後、歩いておじさんのバッパーに移動した。今回の予定は3泊。ラウンド開始以来、今回が2回目の“長期宿泊”である。部屋に落ち着き、久しぶりにバックパックに入っている全ての荷物を出した。この先はほとんどがキャンプ生活。パースにいる間に、もう一度、荷物の整理をしておいた方が良さそうだ。

3泊したツインの部屋内部。これが部屋の全てである。

 バッパーに落ち着いて2人で話すことと言えば、昨日散々相談した今後の予定だった。昨晩、キヨ君と連絡を取ることができ、ツアーのおおよその内容、そして料金について説明した。彼の反応は、というと“$3,200は高いなぁ”そして、“シャワー浴びられへんのはいややなぁ”だった。。。実はキヨ君、意外に(?)身だしなみを気にする京男なのだ。

 3人それぞれが、“この計画で行こう!”と踏み切れないのは事実だが、おそらくツアーに参加するのが最良の方法だろうと言う点では一致していた。そこでまず、他の旅行会社を当たって、料金比較をしてみることにした。

 2社ほどまわり、全く同じプランで見積もりをしてもらったところ、結果的に昨日の旅行代理店が最も低価格で申し込めると言うことがわかった。キヨ君は“貧乏旅行のおきて”を破り、本日アデレードから飛行機で移動のため、既に連絡がつかない。私達は、ついに心を決め、昨日の旅行代理店でパースからエアーズロックまで全てのツアーの申し込みをすることにした。

大通りを曲がると、突然英国調の小路が現れた。
タイムスリップしたような感覚に。
 オーストラリアに来て学んだこと。それは“言ったもん勝ち”である。そして良く言われるのが、“どこに行っても学生証を見せなさい”だ。現在の日本はわからないが、私達が学生だった当時、学生証で得をしたのは映画館や鉄道だけだった。ところが、オーストラリアは学生証がかなりな威力を発揮する。

 バスや鉄道・映画の割引は当たり前。しかも、映画館で“大人2枚。一人は学生です”というと、2人分が学生料金になることが多いからびっくりする。理由はずばり、オーストラリア人が面倒くさがりで、2種類の処理をしたくないから。
 このほか、本屋さんやカフェでも、学生割引があるからすごい。ただ注意しなければいけないのは、応対した人、またはその人の気分によって割引されないことがある点。これがオーストラリアの不思議だ。ちなみに、色々な頼みごとや割引成功率が最も高いのは、金曜日の午後と言われている。

 昨日の旅行代理店に行って、昨日と同じスタッフの人に応対してもらった私達は、とりあえず“言って”みた。“ちょっと高すぎますよね〜?”ところが私達の10倍位オーストラリア滞在暦が長いお姉さんは、手ごわかった。ものすごく理論的かつ所々に、私達が思わず“大変ですよね”などと相槌を打ってしまうような内情をはさみながら、“これ以上安くするのは無理です”をアピールしてきた。

旅行代理店が入っているビルには、情緒あるエレベーターが。
 数々の交渉に勝利してきた保正家も、この勝負には勝てないかも、と思ったその時、猛がお姉さんの苗字にふと反応した。“珍しいお名前ですよね。私の小学校の先生にも、同じ名前の方がいたんですよ”。
“「保正さん」もかなり珍しいけどね”と、結婚以来、あちこちで“・・・ホマサ様”とか“・・・ヤスマサ様”など、苗字にまつわる数々の洗礼を浴びてきた菜津子は、心の中で小さくつぶやいたが、この猛の発言に、お姉さんがググっと反応した。そこから明らかになった驚きの事実数知れず・・・。
 結局、私達は自分達でもびっくりするほど、料金を割り引いてもらえる事になった。ただし当日全額払い、できる限り現金でという条件付で。

 3日後の出発を決め、私達はツアー中に必要になるサンダルと水着を探しに出かけた。いわゆるビーチサンダルは持ってきていたが、ツアー会社によると、安全上かかとを固定するタイプのものでないといけない、とのこと。そして水着はあちこちでの遊水用に。こちらは特に指定なし。

 水着選びで、菜津子はとんだ困難にぶち当たった。オーストラリアには季節を問わず、数多くの水着が売られている。しかし、その多くが胸パッドなしなのだ。恥ずかしながら、菜津子は胸パッドなしの水着を着たこともなければ、着たいとも思わず、言うなればパッドは必需品だった。しかし、水着を買いに出かけた某サーフブランドショップには、パッド付の水着が、1枚も!なかったのだ。
 お店のお姉さんに恐る恐る聞くと、あっさり“ほとんどの人がパッドを必要としていないのよね〜”と言われ、かなりブルーに。。。
 勇気を振り絞って試着をしてみたものの、ブルーな気分に追い討ちをかける結果になってしまい、とりあえず今日の所は引き上げることにした。

おしょうゆ拭き取り中のキヨ君。

 ツアーを決めた安堵感に満たされている“隊長”猛と、ツアーへの不安感と水着ショックから立ち直れない菜津子。バッパーに戻った2人の前に止まったバスから降りてきたのは、キヨ君だった!あまりのタイミングの良さと再会の喜びに、みんなちょっとした興奮状態になる。

 キヨ君のチェックインを済ませ、とりあえず彼の部屋に荷物を置きに行く。キヨ君がバックパックを背中から降ろしたが、何か匂う。。。これは、この匂いは、、、“キヨ君、もしかしておしょう油持ってきてる?”“ようわかったな”“・・・もれてるよ”

 ラウンド中でもしょう油とだし、そしてみりんをかかせない、京男キヨ君のパースは、バックパック内部に広がったおしょう油の拭き取りから始まった。
 
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