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Day.6 -2002.07.19 Day.5 へもどる
 まわりのザワザワした空気で目を覚ました。朝6:45。.今日は7:30にB&Bを出発する。簡単に身の回りを片付け、朝食を摂りに食堂に行った。
 ツアーや宿泊施設で用意される朝食は、だいだいどこでも同じだ。コーンフレークなどのシリアルと食パン、そしてコーヒー・紅茶。日本の旅館の朝ごはんに、卵と納豆と味付け海苔がでるようなもの。ツアーでは、各自パンを焼いて食べたり、コーヒーを入れて飲む


凄まじいほどの迫力を持つ、冬の夜明け

 食堂で、素晴らしいものに出会った。朝焼けだ。こんなに色の濃い、迫力のある朝に、私達は出会ったことがなかった。オーストラリアに来て以来、青い海や青い空をはじめとするきれいな景色を色々見てきたけれど、こんなにすごいものは見たことがなかった。

 トーストとコーヒーで、簡単に食事を済ませる。我が家は基本的に家事分担型だ。猛の分担比率が多いのが実情だが、一応分担だ。この朝食でも、猛がコーヒーを入れ、菜津子がパンを焼いた。そしてふと横を見ると、マレーシアのカップルが。女の子が全て用意して、彼は座って食べている!
宿の周りには野生のワラビーが生息しているとのこと。

 こんな光景を見た時、人はどんな感想を持つか?“マレーシアは亭主関白なのね”である。色々な国の人が集まる場所では、それぞれが国の代表になってしまう。1人が何かすると、それが文化であり、全国民が同じだと思われがちなのだ。ということで、私達の中で、“マレーシア=亭主関白”という定義が成り立った。

 食事の後、身支度を整えて7:30に集合場所である食堂へ。そしてそこでもう1つの定義が成り立った。“フランス人はマイペース”。
 時計を3回見直したが、やっぱり7:30。ガイドのネイスンもマレーシア人のカップルもいるから、きっと間違っていない。それなのに、フランス人のファミリーはまだご飯を食べている!!!しかも、時間や回りの呆れた雰囲気を全然気にしている様子がない。

グランピアスにて。しばし、思いにふける。
 2枚目のトーストに手を伸ばした彼女達を見ながら、ツアーガイドをしている猛には、ネイスンの焦りが手に取るようにわかった。行程が決まっているツアーで、時間に遅れるということはとても大変なことなのだ。しかもこのツアーは移動距離が長い。この分だと、30分は予定より遅れる。
 フランス人のファミリーの朝食風景をみんなで見守り、彼女達の支度が済むまで待った後、私達は出発した。

有名な“バルコニー”以前は口の中に入る事ができたが、
現在は禁止されている

 今日は、“グランピアンズ国立公園”で1日の大半を過ごす。ここでの目玉は、何といっても“ザ・バルコニーズ”と言われる絶壁だ。動物が口を“がおっ”と開けているような形をしている。多くの日本人にこの岩の存在を知らせたのが、宮崎駿監督の“もののけ姫”という作品だ。噂では、主人公サン達の住居のモデルになったと言われている。ネイスンが突然“モノノーキヒメ”と言ったので驚いたが、その位有名な話らしい。
実に険しい道のり。
 この岩の形もさることながら、ここから見える景色は、本当に壮大だ。何万年も前から絶えることなく、多くの植物が生息する林が残っている。植物と同時に、ワラビーなどの野生動物も数多く生息している。

 “ザ・バルコニーズ”から、“マッケンジー・フォール”という滝に向かった、ここで2時間ほど各自ウォーキングを楽しむ事になった。“滝のまわりはマイナスイオンが一杯だから、体にいいんだ”とはりきる猛の主導で、私達はウォーキングに出かけた。
 滝が落ちている所まで、階段をひたすら下りていく。岩を使った階段なので、段の高さはまちまち。車の運転でも下り坂が苦手な菜津子は、少々へこみ気味。猛は“マイナスイオン”に向かって嬉々と進んでいく。


この旅でいったい幾つの滝を見たであろうか。これが1つ目。
(ブルーマウンテン除いて)
 40分ほど歩いた後、私達は滝の最下部に到着した。滝を眺めていると、本当に心が癒される。そして、下りて来る途中で岩の間に流れる水を見てきたのだが、“水が集まって流れをつくる”事を実感する事が出来た。
 しばらく岩に座ってマイナスイオンをたっぷり浴びた後、私達は同じ道を登っていった。この道の遠かった事!

 集合場所に向かう途中に、小さなカフェがあった。この時、集合時間まで5分ほど。そこには、フランス人ファミリーが...こうなってくると“やっぱり”である。時間に間に合わないと思って、ほとんど無言で黙々と歩いていた私達は、歩く速度を落としたのである。日本人って時間に神経質すぎるのかな?

 出発までの時間、ワラビーをたくさん見ることが出来た。本当におなかのポケットに赤ちゃんがいた!大きな赤ちゃんだとお母さんは重いだろうなと、素朴な疑問。

 ここで、例のフランス人ファミリーとはお別れ。彼女達はメルボルンに戻るのだと言う。そして私達は、一路アデレードに向かった。

赤ちゃんがこんなにかわいく顔を出しているのはあまりない。
基本的には頭を突っ込んでおっぱいを吸っているため。
 出発前、ネイスンが私達4人に聞いてきた。“休憩なしでアデレードまで行ってもいい?”アデレードまでは約4時間のドライブになると言う。私達は座っているだけだからいいけど、ネイスンは大変だろうとみんなで心配した。しかし彼は笑顔で言った。“ノー、ウォリーズ”彼はやっぱり、ただ者じゃなかった。

 アデレードまでの4時間、ネイスンは黙々と運転し、私達は素晴らしい日没に感動したり、カンガルーが飛び出して来ないかと心配しながら、外を見ていた。

 夜7:30頃、前方に灯りのかたまりがみえ、マレーシアの彼が私達に言った。“アデレードにようこそ!”彼らはアデレード在住だった。彼らに別れを告げた後、ネイスンが私達をバッパーに連れて行ってくれた。チェックインの後、翌日の出発時間を確認し、ネイスンと別れた。

車中より夕日。今日は朝日も夕日もきれいな一日でした。
 とてもきれいなバッパーだった。キッチンやシャワーもとても使い心地が良い。アデレードでは3日ほど滞在する予定があるので、ここのバッパーにずっといても良いかな、と思ってみたりした。ところが、食堂に行って気がついた。アジア人がほとんどいない。そして私達を見る他の宿泊客の人も、なぜか視線が冷たい。
 バッパーによって特徴があるという話は聞いていた。親日家のオーナー、またその逆など。どうやらここではあまりアジア人が歓迎されないらしい。残念だけど、他のバッパーを探す事にした。

 みどりちゃんとタケに、無事アデレードに着いたという報告の電話をし、私達は初めての南オーストラリア州に乾杯した。


本日の出費 (2人分の合計)
昼食 ... 9.30ドル
おやつ(ミートパイ) ... 2.60ドル
アイスクリーム ... 1.70ドル
食料品 ... 16.40ドル
ビール ... 6.0ドル
宿泊代 ... 48ドル
合計 ... 84ドル
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